日本のアンダーグラウンド音楽シーンの最重要ベーシスト、ナスノミツルと菊地雅晃の初邂逅。
両者とも日本のジャズ/即興、そしてポップス/ロックの幅広い領域で活躍するベーシストであり、一流のグルーヴベーシストである。
その一方、シンセサイザーやエフェクターなどのエレクトロニクスを駆使した独自の即興ソロをライフワークとして探求する者として、この2人は共通している。
そして、このようなポップスから即興/音響/アヴァンギャルドなど多岐にわたる領域で活動しているベーシストは、この2人のほかにはほとんどいないといっていいだろう。
2人の共通する共演者としては、灰野敬二、菊地成孔、大友良英、吉田達也などの音楽家がいるものの、実は今回がお互いにとっての初対面となる。
それは、そもそも、低音によるアンサンブルの構築の難しさから、ベーシスト同士の共演といったものが稀であるということもあるが、電子変調によってベースという低音楽器の表現の拡張をはかるこの2人の共演においてはそのような通念は全く無効になるだろう。
当日は始めに互いのSoloを行い、その後にDuoをお送りする。
Soloにおける菊地のコントラバス、ナスノのエレクトリックベースの楽器の違いや音響的なアプローチの対比、そして両者のサウンドが融合される共演、どちらも見所になるに違いない。
act :
ナスノミツル Nasuno Mitsuru (Bass)
菊地雅晃 Masaaki Kikuchi (Bass)
open 19:30 / start 20:00
charge 3,000yen (with 1drink, tax)
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菊地雅晃 Masaaki Kikuchi
1968年東京生まれ。ベーシスト・ギタリスト・作曲家。
幼少より両親の影響でピアノを中心に様々な音楽教育を受ける。87年、ジャズベーシストの井野信義氏に師事、その後渡米。ジャズベーシストのゲイリー・ピーコックに師事。帰国後、プロのジャズベーシストの活動開始。96年、コントラバスを電子変調させたベースソロアルバム「・・・15分なら過去にも未来にも行けるよ・・・」、ヒップホップのトラックメーカーとのトリップホップアルバム「夜弦響」、純電子音楽アルバム「Formula」3枚を同時リリース。
その他、叔父でもある菊地雅章のSlash Trioや菊地成孔クインテット・ライブ・ダブ、大友良英のプロジェクトなどをはじめ、ジャズ~アヴァンギャルドシーンを中心に数多くのバンドやセッションに参加。
その共演歴は灰野敬二から小沢健二まで多岐にわたる。
15年に他界した叔父のジャズピアニスト菊地雅章へのトリビュートアルバム「~もつれた夢~ピアノとオーケストラのための」を16年に発表。2台のコントラバス・バスフルート・ドラムスの編成で現代音楽とジャズ、ヒップホップなどを融合させたアルバム「Arraignment」を18年に発表。現在はサイケデリックロックと80’s風AOR・フュージョンとダブを融合させたユニット「スターマイン」を主催。まもなくアルバム発表予定。その他、芸大講師陣による現代音楽アンサンブルのために「コントラバスと室内オーケストラのための曲」を作曲中。
http://blog.livedoor.jp/leoneturbogt2/
ナスノミツル(Bass)
エレクトリックベース奏者、即興演奏家、作曲家。
学生時代京都にてキャリアをスタート。1990年代初頭、内橋和久、芳垣安洋とインプロヴィゼイション・ロックトリオ「アルタードステイツ」を結成。以降よりアバンギャルド、ジャズロック、ノイズミュージックに傾倒、のち東京に拠点を移し、大友良英率いる第二期「Ground Zero」に加入。
主な参加バンドは結成25年以上継続中の「アルタードステイツ」、爆裂変拍子ドラマー吉田達也が率いるポリリズム・ジャイアンツ「是巨人」、リアル・ロックのパイオニア灰野敬二率いる「不失者」、伸縮リズム・コンセプトを体現する天才・今堀恒雄の「ウンベルティポ」、自身のリーダーバンド、ナカコー・中村達也とのハードコアアンビエントトリオ「MUGAMICHILL」など多岐に渡り活躍。
即興演奏における柔軟でプログレッシヴでエフェクティヴなアプローチ、そしてフェンダー・ベースの音圧と音価を駆使することによりサウンドを瞬間的に、かつトータルに別次元へと展開させるパワーとテクニックはベーシストとして出色であり、その可能性は今も加速度的に進化中である。